この記事ではOさんがひつこい便秘から毎日すっきりと出るようになった記録を書きます。Oさんは社会人になってから便が出にくくなり、ひどい時は1週間も便秘になることも。Oさんは「薬を使ってもすっきり感はなく、下腹は張ったまま、気持ちも落ち込むんです。」と、相談にいらっしゃいました。
Oさんの便秘の原因
Oさんの姿勢やお仕事、生活の様子から原因を考察しました。
Oさんは40代前半で、2歳の男の子とご主人の3人でお住まいです。通訳のお仕事をされていて、パソコン業務、出向いての会議での通訳、家事に育児にと多忙な日々を過ごされています。
学生時代は、自転車で全国を回られるほどアクティブでしたが、社会人になってからは定期的な運動はしていません。何かやらないといけないと思いつつも、運動からは遠のくばかり。
そのせいもあってか、出産後から便秘になり、あれこれ試すものの、気持ちよく排便出来た感じがなくお悩みでした。Oさんは「旅行に行くともっと出にくくなって、全然でなくて、旅行中もストレスになるんです。」とお話くださいました。
Oさんはかなりの反り腰で、普通に立っていても下腹が出た状態でした。座っているときも腰を反って座り、常に下腹が太もも方向に乗っかっています。お腹の力が弱い方は反り腰になりがちで、Oさんもお腹でからだを支えることが苦手です。Oさんは「反り腰は昔からの癖で、何をやってもなかなか良くならないのです。」と嘆いていました。
お腹を触ると固く、腸の動きも悪いと感じました。反り腰でいると内臓が下がり、腸を圧迫して便が出にくくなります。内臓を元の位置に戻すことも課題でした。「お腹が硬いのは自分でもよくわかります。」とOさん。
内臓が下がってしまう根本的な要因として、体重が前にかかることが考えられました。お腹に力が入らないことと、からだの使い方の癖からと判断しました。
Oさん向けの便秘対策エクササイズ
Oさんに取り組んでいただいたのは、反り腰から正しい腰の位置に戻すことでした。Oさんにとっては苦手な動きですが、真摯に取り組みました。
反り腰を正しい位置に戻す
仰向けに寝転び、タオルの端を持ち、膝を曲げます。この時、下腹に力がはいり、仙骨を押すような動きになります。腰を緩めたいときは仙骨から緩めると腰もラクに緩みます。
足先にタオルが当たらないように膝をくぐらせます。シンプルな動きですが、かなりお腹を使います。Oさんからは「すごく苦手な動きです。でも便秘が良くなるなら、がんばります!10回くらい繰り返すと翌日は筋肉痛になります。」と報告が。それだけ腰に頼ってお腹が使えていないということになります。
腰を丸める
お尻の下にクッションや枕を置いてお尻を半分乗せます。腕を天井にあげて脇の下から持ち上げます。膝を腕に近づけるようにするとお腹に力が入り、腰が丸まります。腰とお腹はいつも連動して動きます。腰が硬いとお腹も使いにくいので、このエクササイズで両方の使い方を練習します。
Oさんはこの動きも苦手ですが、「自分の課題がよくわかります。これができたら、反り腰が変わって、便秘にもいい影響ができる気がします。」と前向きでした。
お腹を伸ばす
次にお腹を伸ばす練習をします。手をお尻の後ろにつき、膝を曲げます。この時、足の付け根から膝を胸に近づけるようにします。お腹がしっかり使えているのがわかります。
縮めて伸ばすを繰り返します。反り腰の人は、伸ばすときに腰を反らせがちになります。Oさんも「腰を丸めたまま伸ばすのが苦手です。」と苦戦していました。一連の反り腰を緩和するエクササイズをした後に立ち上がると、腰への負担がぐんと減っています。
付け根を伸ばす
便秘の方は内蔵が下に落ちて、足の付け根が縮んでいることが多いです。足付け根が縮んだままだと、内臓が押しつぶされたままになり、便の通りが悪くなります。座り姿勢が長い場合も、硬くなる箇所です。
片足を折りたたみ、もう片方は伸ばします。付け根を下に近づけるように力を加えます。この時、腰を反らないようにするのがポイントで、お尻の穴を下に向けるようにします。
背中の緊張をとる
Oさんはお仕事も家庭の用事もあるので、常に頭が次の段取りで忙しいです。頭が忙しいと体も緊張します。便意はからだがリラックスしているときに起こるので、背中を緩めることをおススメしました。
ストレッチポールに仰向けに寝て、手足の力を抜きます。どこにも力がはいっていないくらいだらーんとします。Oさんはこの状態になるとすぐに眠くなります。それだけ緊張がほぐれたということです。
お腹のマッサージも習慣に
ソフトボールくらいの大きさのボールでお腹を押すこともおススメしました。腸の右側は便を押し上げるので、左よりも硬いことが多いです。圧迫と開放を繰り返すことで血流が良くなり、便を押し出す力が戻ってきます。
骨盤の内側から肋骨の下まで、からだを左右に軽く揺らしながら進みます。便が詰まっていそうな箇所は痛いので、用心します。水を飲みながらやると、翌朝はするりと便がでます。
まとめ
Oさんの便秘を和らげる方法として5つのエクササイズを提案し、実践していただきました。
- 反り腰を正しい位置にもどす
- 腰を丸める
- お腹を伸ばす
- 付け根を伸ばす
- 背中の緊張をとる
毎日きちんと実行してくださったOさんは3か月後には「あんなに苦しかった便秘が嘘のようで、一日に2回も出ることがあって、しばらくなかったすっきり感もあり、気分も晴れ晴れとします。」と報告がありました。
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